10年前にニュージーランドで仕事をしていた時のことです。当時、私の英語は決して流暢とは言えるようなものではありませんでした。そんな私が仕事に就いた2週間後に「通訳もやってくれ」と言われてしまったのです。
たった「2週間後」ですよ。正直驚きましたよ。同時に、日本と違って若者にもチャンスをくれる国なんだなぁと思いました。日本じゃ考えられませんからね。チャンスだと思って二つ返事で引き受けました。でも、問題はここからです。引き受けたはいいがうまくいくのか、毎日がドキドキでした。
それから6ヵ月後。私の前には多くの名刺が並んでいました。何でだと思います?
仕事でたくさんのマネージャーさんや社長さんと会うんです。そうするとそのお偉いさんたちが「うちに来ないか」って名刺を置いていくんですね。日系の大手もたくさんありましたよ。むこうの一流ホテルとか、ニュージーランド・エアーなんてのもありました。
空白の6ヶ月の間に私が何をしたのか知りたいですよね。お教えしましょう。でも簡単すぎてびっくりしないでくださいね。
私は6ヶ月間毎日、ネイティブの友人や同僚を夕飯やバーに誘いました。そして「ご馳走する代わりに私の英語を直して」と頼んだのです。しかも必ず相手は1人。ただ楽しく会話をすればいいというわけではありません。私にとってはレッスンの場だったのです。
食事をしながらの会話を通してとにかく話します。とにかく聞きます。そして表現に間違いがあるときは徹底して修正してもらいます。言いたいことが言えないときには必ずどう表現すればよいのか教えてもらいます。食事中ですし、教わってもメモなどは一切とりません。忘れてもいいんです。また同じ間違いをすれば指摘してくれます。そうやって繰り返しているうちにいつの間にか覚えるんです。この「いつの間にか」がいいんです。自然と身についたものは忘れませんし、言いたいことがすらすら出てくるようになります。
相手が1人であることにこだわるのはそんなに大勢にご馳走できないから!?ではありません。まあ大勢にご馳走できないのも事実なのですが。理由はひとつです。2時間の食事をとるとしましょう。2人で話せばあなたは「1時間」話せることになります。でも6人で食事を取ったらあなたが話せるのは6分の1の「20分」だけ。この差は大きいですよね。スクールでもグループレッスンよりプライベートの方がずっと価値がありますし、ず〜っと効果的ですよね。
英語を上達させる秘訣はたった2つだけです。ひとつは「話す、聞く、直すを徹底して繰り返す」こと。もうひとつは「1対1である」こと。
もし本気で英会話をマスターしたいなら、今すぐ、あなたの持っているCDやテキストを捨ててください!!
この方法は私たちの多くの生徒さんが実践していますが、びっくりするほど効果的です。